
カナダの文化とは?現地在住者が語る本当のカナダ文化
カナダへの留学や移住を考えているあなた、「カナダの文化って実際どんな感じ?」と疑問に思いませんか?
実は私も来る前は同じ疑問を抱いていました。インターネットで調べても表面的な情報ばかりで、実際の生活や現地の人々との関わり方がイメージできなかったんです。
この記事では、カナダに長年住んでいる私が実際に体験したリアルなカナダ文化をお伝えします。教科書には載っていない、現地で生活してみないと分からない文化の特徴を詳しく解説していきますね。
カナダ文化の基本:多文化主義とは何か?
公式な文化政策「多文化主義」
実はカナダの大学でカナダの歴史を1セメスター履修した過去があり、カナダがどういう風に出来上がったというコアなトピックを勉強していたことがあります。特に内容を細かく書くつもりは一切ありませんので調べていただいたらわかるのですが、正直言ってかなりつまらない歴史です。
The Canadian Encyclopedia というサイトで大体調べることができます、このサイトはエッセーを書くのに時たま使用した割と簡単にまとめられてるサイトで助けられました。(笑)
簡単に内容を紐解くと、
カナダは1971年に世界初の多文化主義政策を採用した国です。当時のピエール・トルドー首相が「多文化であることがカナダの文化である」と宣言したことで有名ですね。
これは単なるスローガンではありません。実際にカナダでは:
- 移民が人口の約21%を占める(2023年統計)
- 200以上の民族的起源の人々が共存
- 公用語は英語とフランス語の2言語
なぜ多文化主義が生まれたのか?
カナダの歴史を簡単に説明すると:
- 先住民の時代:イヌイット、ファーストネーション等が居住
- ヨーロッパ系移民:フランス、イギリスからの入植
- アジア系移民:鉄道建設のための労働力として
- 継続的移民:経済発展のための人材確保
この複雑な歴史背景から、「1つの文化に統一するのではなく、多様性を受け入れる」という方針が生まれました。
現地在住者が体験したカナダ文化の5つの特徴
これに関してはどこの国でもそうだと思いますが実際住んでみないと知りえないことだと思います。
1. オープンコミュニケーションを重視する文化
「話さなければ伝わらない」が基本
カナダでは日本のような「察する文化」がありません。思っていることはストレートに伝える必要があります。
例えば、レストランで会計中に店員さんから「その服素敵ね!今夜の予定は?」と突然話しかけられることも日常茶飯事。最初は戸惑いましたが、これが自然なコミュニケーションスタイルなんです。
人種や文化、言語によって理解度や、伝え方が変わってくることがあるため、コミュニケーション能力を大事にするので包み隠さず意見などを述べてくれます。
職場でのコミュニケーションは…
- 意見の相違があっても遠慮なく議論
- 「No」をはっきり言うことが重要
- 建設的な批判は歓迎される
- 沈黙は同意とは見なされない
2. パーソナルスペースの概念が薄い文化
他人との距離感が近い
カナダ人は基本的にフレンドリーで、困っている人がいればすぐに助けてくれます。
例えば友達と遊んでいたりすると、ほかの友達を連れてきたりと気が付いたら知らない人しかいないなんてこともよくあり日本ではあまり考えられない状況になることもあります。
カナダにいる人は関わったら全員友達という感覚でもあるんですかね。
3. 個人の自由を最大限尊重する文化
「自分らしさ」を大切にする
働き方の自由度
- 残業はほとんどない
- 有給休暇の完全取得が当たり前
- フレックスタイム制の普及
- リモートワークの一般化
- 副業・複業への理解
ライフスタイルの多様性
- 大学卒業後すぐに就職しなくても問題なし
- ギャップイヤーを取る人が多い
- キャリアチェンジが一般的
- 趣味に時間とお金をかけることが推奨される
4. 家族との絆を大切にする文化
カナダでは家族との時間を最優先に考える人が多いです。
祝日の過ごし方
- クリスマスはほぼ全ての店舗が休業
- 感謝祭(サンクスギビング)は家族団らんの日
- 長期休暇は家族旅行が定番
- 日曜日は「ファミリーデー」として過ごす家庭が多い
仕事と家族のバランス
- 家族の用事で仕事を休むことに理解がある
- 子供の学校行事への参加を優先
- 両親の介護のための休暇制度が充実
特にクリスマスなどは家族の日なので営業している店はほぼなかったり家族の関係を大切にする傾向がある素敵な国だと思います。そのせいかカナダへ留学すると祝日では少し寂しい思いをすることもあるかもしれませんね。
5. 自分の時間を大切にする
カナダにいる人たちで時間に追われている人は少ないです。
例えばパーティに5時に集合などというと実際みんなが集まるのは6時だったり7時だったりと個人によってばらつきが生まれ自分の用事を優先させたりするので日本に比べると時間の感覚はあいまいになっています。
バスも時間通りに動かないことも多く、ほかには仕事を1時間早く切り上げて帰る方もいますし残業がなかったりと自分の時間を大切にします。
なかでも少し日本では考えられないのが大学を卒業した後に働けなければならないといった固定観念がなく卒業後は半年ほど遊んだり、旅行に行ったり各自働く以外の経験を得ることに重きを置いています。カナダには新卒という文化がないため特に焦らなくてよいという文化があります。
日本人が知っておくべきカナダ文化のポイント
カルチャーショックを避けるために
時間の概念
- パーティの集合時間は目安程度
- 「カナディアンタイム」は30分〜1時間遅れが普通
- 公共交通機関の遅延は日常的
食事文化
- チップ制度(15-20%が標準)
- 外食の量がとても多い
- 持ち帰り(テイクアウト)が一般的
- 多国籍料理が豊富
社交マナー
- アイコンタクトが重要
- 握手は力強く
- ドアを開けて待つ習慣
- 「Please」「Thank you」「Sorry」を頻繁に使う
カナダの文化 まとめ
カナダ文化の本質は「多様性の調和」です。
異なる背景を持つ人々が互いを尊重し、個人の自由を大切にしながらもコミュニティとして結束する。この絶妙なバランスが、カナダ独特の温かく包容力のある文化を生み出しています。
日本からカナダへ来る方にとって、最初は戸惑うことも多いかもしれません。でも、この自由で温かい文化に触れることで、きっと新しい自分を発見できるはずです。