
MSP:バンクーバーの医療保険ってなに?申請方法・料金について解説
「カナダに行きたいけど、医療保険のことがよく分からなくて不安…」という声をよく聞きます。私も最初は同じ気持ちでした。今回は、バンクーバーの医療保険システム「MSP(Medical Services Plan)」について、申請方法・料金・主なサービスを今回は紹介します。これからバンクーバーへの移住や留学を考えている方は、ぜひ参考にしてください!
MSP(Medical Services Plan)って何?誰が加入できるの?
MSPは簡単に言うと、BC州の公的医療保険制度です。バンクーバーに住む方は、基本的に加入する必要があります。
加入資格があるのは?
- BC州に住んでいるカナダ市民または永住者
- ワーキングホリデーで来ている方
- 就労ビザや学生ビザで6か月以上滞在する方
- 上記の方の扶養家族
短期観光の方は対象外ですので、旅行保険などに加入しておく必要がありますよ。
「え、でも来たばかりなのに加入できるの?」という疑問が浮かぶかもしれませんね。実は、BC州に来てからすぐには加入できません。3か月の待機期間があります。この待機期間中は、民間の医療保険に加入しておくことをお勧めします。日本から出発前に手配しておくと安心ですよ!
これで迷わない!MSPの申請方法
ステップ1:個人アカウントを作成する
まずは、BC州政府の「MSP for British Columbia」というサイトでアカウントを作成します。メールアドレスと個人情報を入力するだけなので、10分もあれば完了します。
ステップ2:申請フォームに記入する
アカウントができたら、MSP申請フォームに必要事項を入力します。ここで入力するのは
- 氏名(パスポートと同じ表記で)
- 生年月日
- 性別
- 住所(バンクーバーでの住所)
- 電話番号
- ビザの種類と有効期限
- カナダ到着日
- 家族情報(家族と一緒に来ている場合)
書類の準備さえしておけば、30分程度で終わります。私が申請したときは、途中で保存もできたので、分からないところがあれば調べながら進められました。
ステップ3:必要書類をアップロード
次に、以下の書類のスキャンデータをアップロードします:
- パスポート(顔写真ページ)
- ビザまたは永住権の証明
- 入国スタンプのあるページ(またはカナダ入国記録)
- 住所証明(賃貸契約書など)
「住所証明って何を使えばいいの?」と思う方も多いと思います。私の場合は、アパートの賃貸契約書を使いましたが、銀行の明細書やインターネット契約書なども使えるみたいです。
ステップ4:待つ
すべての入力と書類のアップロードが終わったら、申請を送信して完了です。あとは審査を待ちます。審査期間は通常4〜6週間ですが、混雑状況によって変わることもあります。
申請が承認されると、MSPカード(Personal Health Number(PHN)が記載されたカード)が郵送で届きます。このカードは大切に保管してください。
財布に入れていてもいいと思います。
MSPの費用は?:ビザの種類によって異なるので要注意
「で、結局いくらかかるの?」
カナダの市民権や永住権、また、ワーホリや就労ビザを持っている場合は、月額保険料は無料です。一方、学生ビザ(有効期間が6ヶ月以上の学生)の場合は、月額$75CADとなります。
※前述した通り、観光ビザ(eTA)や短期留学(6ヶ月未満)で滞在される方は、MSPに加入することはできません。民間の海外旅行保険に加入することを推奨します。
MSPでカバーされるサービスと対象外のサービス
MSPがすべての医療費をカバーするわけではありません。何がカバーされて、何が対象外なのか、簡単に見てみましょう。
カバーされるサービス
- 一般診療(家庭医やウォークインクリニックでの診察)
- 専門医の診察(※紹介状が必要)
- 緊急治療
- 入院費
- 大抵の検査や手術
- 出産関連の費用(※医師が必要と認める妊娠、出産の場合)
カバーされないサービス
- 歯科治療
- 眼科検査
- 処方薬費用
- 美容整形
- 健康診断(就職や保険加入のため)
特に「処方薬が対象外」という点は、日本と大きく異なります。日本では薬も3割負担で済みますが、カナダでは処方薬の全額を自己負担しなければなりません。
よくある質問(FAQ)
ここからは、日本人の方からよく聞かれる質問に答えていきますね。
Q: MSP取得までの3ヶ月間、どうすればいいの?
A: 民間の医療保険に加入するのをおすすめします。日本の海外旅行保険でもいいですし、カナダの民間保険会社(Guard.me、Sun Lifeなど)のプランもあります。
Q: 緊急時はどうすればいいの?
A: 緊急事態(胸痛、重度の怪我など)は911に電話し、救急車を呼ぶか病院の救急部門(Emergency Room)に直接行きます。MSPカードがなくても緊急治療は受けられますが、後で費用を請求される可能性があります。
Q: 家族も一緒に申請できる?
A: はい、配偶者や19歳未満の子どもは一緒に申請できます。家族全員の書類を準備して、一括申請すると便利ですよ。
Q: 日本語が通じる病院はある?
A: バンクーバーには日本語対応の医療機関もあります。日系クリニックや日本語通訳サービスがある病院もあるので、事前に調べておくと安心です。
いかがでしたか?バンクーバーの医療保険システムは、一見複雑に思えるかもしれませんが、案外シンプルです。
カナダの医療制度は社会保障の観点から整備されており、必要な医療を誰もが受けられる素晴らしいシステムです。ただ、日本と違う点も多いので、事前に理解しておくことが大切です。
こちらの記事でバンクーバーの初めの1週間でするべきことをまとめています。