カナダでリモートワーカーたちをうまくマネジメントする方法

カナダでリモートワーカーたちをうまくマネジメントする方法

私はカナダの企業でマネージャーとして働いていて、もちろんカナダオフィス内にもチームはいますが、大半がリモートワーカーのチームです。カナダに限らずリモートワーキングは普及してきており、マネジメントは今まで以上に難しくなってきます。今回は自分の経験を活かし、どのようにうまくリモートワーカーたちをマネジメントするかを紹介します。

リモートワークのマネジメントはむずかしい?

リモートワークのマネージメントははっきり言ってかなり難しいです、というよりかはうまくマネジメントすることが非常に困難です。

企業が大きくなればなるほど忙しくもなるのでさらに困難になってきます、その点私は3,4人くらい(ピーク時10人前後)のリモートワーカーしかいないので大企業に比べるとかなり楽な部類に入ります。

難しい理由1

日本ではあまり見られませんが、カナダでリモートワーカーを雇うとなると、それは何もカナダ国内の人間だけでなく南米やアジア、ヨーロッパなど様々な時間帯のメンバーと働かなければなりません。

私の場合はカナダ、南米、アジアと3つの時間帯からチームができています。彼らには基本的に彼らの時間帯で私と少し被るように働いてもらっていますが、基本的には私が寝ているときなどに働いています。

大抵の日本のリモート環境は同じ時間帯の人を管理することが多いと思いますが、時差が出てくるとその方法もまた変えなければいけません。

難しい理由2

そして生産性を追求することが非常に難しいです。仮に職場がビジネスや企業といったものではなく、ただただお客さんとやり取りしたり、個人のパフォーマンスでどうにかなる仕事だったりする場合は、正直そこまでチームとしての生産性にこだわる必要はありません。要は一人の行動にプロジェクト全体が揺るぐなんてことがない職場です。

しかし、年商が何億も超えて、一人の行動が会社に大きな影響を及ぼすような職場では生産性が最も大切になってきます、そうでないと社長にどやされることでしょう。ちなみに私の職場はこんな感じです。。。

考えてみてください、自分のマネージャーが寝ているときに家で働くとなると、だらけてしまいそう、って思いませんか?だらけてしまうのは仕方がないことですがマネージャーからするとあまりうれしいことではないですよね(笑)

難しい理由3

海外でリモートワークで採用される人間は一部のスキルがある人間だけです。しかし会社にはそれぞれのやり方があったり、商品を覚えたりなど最低限のトレーニングが普通必要になってきます。

カナダのリモート環境ではこれらすべてをオンラインでする必要があるのです。

それだけでなく、私のように時間帯が違う人が多いチームで働く場合は情報伝達やツールの共有などを完璧に行う必要があり、少しミスれば1日仕事が進まないなんてあることでしょう。

メンバー1人1人のパフォーマンス管理や、面談、そういった細かいところまで1度も顔を合わさずに行うのはかなりむずかしいです。

要はコミュニケーションが非常に取りづらいのです。こういった状況下で成果を上げる、これほど難しいことはありませんね。

まぁその他にもいろいろ理由はあるのですが、すべて挙げていたらきりがないので、うまくマネジメントする方法について紹介していきます。

カナダ企業でリモート環境をマネジメントする10の方法

私は現在ビジネスリード、日本で言う事業部長のような仕事をしておりマネージメントポジションにいますが実はこれが初めてではなく、日本でも学生からカナダに来るまでの間に、レストランで店長代理や、会社でのチームリード、ビジネスコンサルなど様々なポジションを経験してきましたので、ある程度知識とスキルは備わっていました。

しかしリモートのチームを持ったことは初めてで、最初はつまづくことも多く学ぶことがたくさんありました。そしてこちらの記事で少しでもマネジメントで困っている人の助けになればと思い、紹介していきます。

1. マイクロマネジメント

あまり好まれないマネジメント方法TOP3には入りそうなマイクロマネジメント。マイクロマネジメントとはタスクを与えるときなど細かいところまで指示して、頻繁にプロセスを確認する方法です。

これは対面でする意味はあまりない上に、生産性が下がるのですが、リモート環境では定期的にチェックしたり細かく指示することで、チーム内の士気が上がりやすくなります。

そうすることで自分の役割をしっかりと守ることができるので安心感も与えることができるのです。

そしてできるだけすべてのタスクに少し厳しめに期限を与えることが重要です。

2. 責任感とそれに伴ったタスクを与える

リモートワーカーたちの心理は普通の社員とは少し違います。リモートワーカーたちは自分たちがスキル依存で生きていることを理解しており必要がなくなればすぐに切られることを知っています。

だからこそチーム全体のパフォーマンスを上げるには彼らのやる気を上げる必要があり、そのために少し責任度の高い仕事を定期的にあげることがおすすめです。

私の場合は一定のプレッシャーを与え、しっかり評価することで彼らのやる気とスキルアップを図っています。要は会社のために働いているわけではなく自分のスキルアップのために働く傾向があるのです。

3. 自分で学ばせる

リモート環境ではもともとエキスパートである人が多い分、あまりスキル面で教えることがありません。しかし世の中は毎日進化しており、今日のスキルは明日には古くなっていることがあります。

だからこそ、リモートワーカーたちには毎日30分から1時間ほど仕事ではなく、何か新しいことを勉強させたりすることで柔軟さとスキルアップを与えると同時に、会社へさらに貢献させることもできます。

4. コミュニケーションを積極的に取る

先ほどコミュニケーションが難しいと紹介しましたが、これを解決するにはとりあえずコミュニケーションを取り続けるほかありません。

毎日ZoomやSlackなどでやり取りして、彼らがチームの一員であることを認識させましょう。

理想は毎日仕事の始まりに10分から15分ほど簡単なミーティングを取ることです。そして談笑したり適当な話をしたり仕事としてだけでなく接することも時には必要ですね。

5. 自分たちがどこにいるかを常に明確にする

オフィスにいないので、いったい自分たちが働いている会社がどういう状況なのか全くわからないこともあるでしょう。

ですので、ことあるごとにメンバーたちに会社の次の目標や、状況などを共有することが必要です。そしてメンバー間での進行状況については全て事細かに公開することが大切です。

6. ボスではなくリーダーとして接する

間違った上司の例としてよくカナダで上げられますが、チームでボスとして周りに接することです。

リモート環境はやめたければやめることもできる上に、悪く言うと仕事のできない上司は舐められやすいので、ふんぞり返ってただただ指示を与えるだけでなく、チームを引っ張っていく姿勢を持つことが最も大切です。

要は全ての責任を引き受け、チームメイトを輝かせるために環境を整えることが必要なのです。

7. 刺激を与え続ける

仕事はつまらないです。他人の会社に働く理由なんて毎月の給料であったりノウハウを盗むためでしかありません。私も同じようなタイプですが刺激のないただただだらっとした会社ではあまり残る意味がないと思います。

だからこそマネージャーとしてチームのキャリアパスを考えてあげたり、より挑戦できる機会を作ってあげることが好まれやすいです。

8. 柔軟に対応する

顔合わせをしない分、仕事はサボりやすいです。締め切りにも間に合わないことも多々あると思います。しかし先に書いた通り、リモートチームの全責任はマネージャーにあります。

そういった不測の事態は常にすべて予期しておきバックアッププランを作っておきましょう。私は基本的に本来の締めきりの2週間ほど早めに調整しているので多少遅れても問題はないようにしています。

そしてリモートワーカーたちが会議に参加できなかったなどのケースに対応するために必ずクラウドに資料を残しています。

9. アクセス制限をしっかり管理

これは私が一度失敗したのですが、新しくデベロッパーを雇ったときに、彼の必要なアクセスのうちいくつかがアクセス不可能となっていたために丸一日作業が進まなかったということがありました。

全てのサイトやアカウントへのアクセス権を渡すのはリスクがありますが、必要なツールやサイトのアクセス等は必ず渡すようにすることが大切です。

10. タスクごとに資料を作成する

最後はタスク管理です。オフィスで対面で働く場合は何かあれば聞き直せるし、そもそも質問もしやすく理解度がオンラインとは全く違います。

私がおすすめする方法はタスクを作るたびに、その狙いとしてほしいことなどある程度まとまった簡単な資料を作ってTrelloなどにアップロードしています。

マネージャーの工程が多くなるのでしない方は多いですが、チームがするべきことを完全に理解しているかどうかはこういう地道なところに集約されています。

そして私の職場のように、私が働いていない時間でも聞き直す必要のないようにする目的もあります。

以上が私の思うリモート環境をうまくマネジメントするコツです。オフィスでのマネジメントに比べ、すべての難易度が上がることに加え、責任をより自分で背負う必要ができるため、そもそもリモートを拒む方も多いです。

しかしこれからはおそらくリモートでほとんどの職種がカバーできることを考えると、そういった環境をうまくコントロールできるスキルや知識を持っておくことは今後のキャリアアップにつながるでしょう。

最後にこちらでカナダの会社でよく使うプラットフォームを紹介しているのでぜひチェックしてみてください。

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