【出稼ぎ】カナダって稼げるの?
2024年になってさらに話題になっている海外出稼ぎ。オーストラリアは長年、出稼ぎ先としてとして扱われてきましたが、どうやらカナダも稼げる、賃金が高いという認識が強まっています。今回はカナダの企業で実際に働いて、カナダで住んでいる身として、本当にカナダは稼げるのかということについて紹介していきます。
実はそんなに稼げない
結論から言うと実はそんなに稼げない!
そして稼げる人と稼げない人の差が激しい!というのが現実です。
恐らく、カナダって稼げるんだって思った人は、レストランサーバーの日本の方が月当たり手取り40万円稼いでいるみたいなニュースを見たからだと思います。
確かにレストランのサーバーでそれくらい稼ぐ人は珍しくもありませんが、全員でもありません。レストランがある程度人気の店でお金を持ったお客さんがチップをよく落としてくれる、などのコンディションが必要です。
そしてそういうレストランはすでに埋まっている場合が多く、普通の一般的なレストランでは生活に影響するレベルの賃金であることが多いです。日本円に換金するとそれなりになってもカナダでは少ない!なんてこともよくあります。
カナダの最低賃金は日本より高く、私の住んでいるBC州内では2024年6月より1時間当たり$17.40(日本円で約2000円)くらいです。それにチップが加わり3000円から4000円分くらいにはなるかもしれませんが、カナダの物価の高さや家賃事情を考えると、1時間2000円ではかなり不安定です。
こちらの記事で私の1か月の出費をリアルにまとめているのでぜひ読んでみてください。
さらにシフトを40時間しっかりもらえる保証もないので、稼げる人、稼げない人が顕著になってきます。
カナダで仕事探しをした方はわかるかと思いますが、今は仕事先を探すだけでも非常に大変です。サーバーに100名以上の募集がかかるなど珍しくもありません。
カナダで手取り40万円ってどのレベル?
日本円で見れば40万円という額はそこそこ大きいのかもしれません。年収で言えば650万近くってことです。
しかしその稼いだお金を直に日本で生活して使うわけではないので、安直に稼げるって思う前に、いったいどれくらい手元に残るか、そしてどういう生活ができるのかを考えなければいけません。
ではその40万円の手取りとはカナダでは月収およそ$3500、税前の年収で$52000(600万円程度)となりますが、実はバンクーバーやトロントでは低所得層に入ります。
とんでもねぇカナダ!
日本円で見るとまぁまぁですがカナダではかなり少なめ、つまり貯金することも難しい可能性があります。
そしてわざわざ海外にきてまで切り詰めた生活をする意味もあまりないです。そしてこの額はサーバーからするとかなり高めなので、もし”いいレストラン”を見つけられなければもちろんこれ以下など普通にあります。
就職した場合は?
もちろん出稼ぎと言ってもレストランなどの仕事ばかりでもありません。オフィス職であったり建設など様々な仕事がカナダにあります。給与水準で言えばやはりカナダの方が高いので、貯金できる割合も少し日本より高いのは確かですが、大幅に給与がアップするかといえば必ずそうとは言えません。
例えば日本でソフトウェアエンジニアで年収500万円の方がカナダで1000万円は全然狙える範囲です。しかし日本で1000万円近くもらっていた方がそれ以上の仕事をもらえる確率はかなり低いと思った方がいいです。むしろ下がることすら容易にあります。
それはどの職も同じで、スキルを持っていながらも、若かったり、評価されていなかったりなど様々な理由で、日本でいいお給料をいただいていない場合は、給与水準が高いカナダで倍稼ぐことも余裕ですが、ある一定のラインを超えた給料をもらうのは難しいのが現実です。
それでも働く時間が減った、ライフバランスが改善されたなどのメリットはありますが。
では稼げる人は?
カナダがまるっきり稼げないかというと、そんなことはありません。実際に私はカナダのカフェで店長をしていた時は確かにかなり稼げていました。
若く経験の少ない私は日本ではおそらく稼げないのかもしれません、しかしカナダでは経験以上にスキルや行動力を評価してくれるので私は20半ばでマネージャーにもなっていますし、他社ですが100k(1200万円ほど)のオファーもいくつかいただけました。
自分の経験から察するにカナダで稼げる人は、
- 必要な分野に特化していること
- スキルを上げまくる
- 英語ができる
- リーダーシップがある
- 勉強し続ける
を実践できる人だと思います。つまり稼ぐために何ができるか、何を学ぶかを率先することができればいいお給料をいただけることでしょう。
まぁ1200万円はカナダでは中級所得なんですけどね。
以上が私の思うカナダの現状です。貯金できる額は日本より増えることは間違いないでしょうが、それが人生に影響するような額にはなることは少ないと思います。出稼ぎという名目でカナダに来るのは少し厳しいと思う一方、海外に出て挑戦をするという考えは尊重するべきだと思っています。できることであれば稼ぐことだけを考えずにぜひ海外にチャレンジしてみてください!