ブロックチェーンがどのようにビジネスに役立つのか
世界の経済は国際化に対応するため、徐々に対人でのビジネスからデジタル(オンライン)へと移行していっていますが、その中でもブロックチェーンの普及により今までできなかったことや、時間がかかっていたことを解決できるようになってきました。加えて安全性が高いこのブロックチェーンは現在のビジネスにどう役立つのでしょうか?
ブロックチェーンとは
世界はだんだんデジタル化しておりその一環でビットコインなどの仮想通貨とともにブロックチェーンが目立ち始めました。ブロックチェーンをやんわりと知っている方はいるもののどのように使えるか困惑されている方も多いはず。
ブロックチェーンとは簡潔に説明すると情報やデータを限りなくハッキングされづらいデータブロックに記録し、一つのサーバーからだけでなく複製することで様々なところからアクセスできるシステムです。
一番身近な例でいえばGoogleスプレッドシートなどその場にいなくても同じファイルを他人と編集できるうえに誰がどのような変更をしたかを見ることができますよね。
それのさらに大きな規模の話です。ブロックチェーンの細かい解説はこちらの記事にてどうぞ。
ということでそのブロックチェーンはどのようなビジネスシーンで役に立つか見ていきましょう。
1. サプライチェーン
社会のデジタル化が進む恩恵の一つとして世界中でオンラインショッピングをして物を発送することができるようになりました。サプライチェーンとは原材料調達・生産管理・物流・販売までを一つの連続したシステムのことでブロックチェーンはこの”物”の移動に非常に役立つのです。
ブロックチェーンの一つの特徴としてプロべナンス、高精度のトラッキングが可能になります。
サプライチェーンは1つの倉庫ですべてが行われるわけではなくいろいろな街や国を通して配達されるのですが、この過程は複雑でどの商品がどこを通ってきたか管理するのは今まではほぼ不可能でした。
しかしブロックチェーンのシステムを通すことによってどの商品がどのように作られ通ってきたかを起源を知ることができるので、オンラインショッピングの透明性が増し、偽物の被害などを未然に防ぐことができるようになります。
有名な例では世界一の企業Walmartがそれをすでに実施しており、商品を他国から輸入する際にその商品の透明性、出所をチェックすることでお客さんに安全な商品を届けています。
2. マーケティングキャンペーン
ブロックチェーンはマーケティングにおいても活躍する可能性を秘めています。
現在のマーケティング、特にデジタルマーケティングではオンラインツールによって集められたデータを使い分析してキャンペーンを立てていると思いますが、実は現在のオンラインマーケティングツールのほとんどは正確性に欠けるのがネックです。
というのもそのデータは他社のサーバーを通して得たデータであるため実際のデータとは少し誤差が出ます。
しかしブロックチェーンを使うことによってより正確で透明性のある生のデータを集めることができるのでマーケティングキャンペーンを立てるのに適しているのです。
3. カスタマーエンゲージメント
ビジネスにとって最も大事なカスタマーエンゲージメントではブロックチェーン特有のデータや情報の透明性によって、ユーザーからの信頼を上げることにつながります。
今まではデータは大きな会社にすべて管理されていたためにデータ漏洩の恐れがあったのですが、ブロックチェーンを使用することでビジネス側、ユーザー側のデータコントロールと個人情報の保護が可能になるのです。
例えば現在はWiFIプロバイダーによって店で公共のWiFiを置くことができますが、そのWiFiを使用した消費者、ユーザーのデータはプロバイダーのみによって管理されているので、データ分析等に支障をきたします。
4. セキュリティとプライバシー
ブロックチェーンの最大の特徴といえばそれはやはりセキュリティです。
ブロックチェーンは新しいデータブロックの上にさらにブロックを使ってデータを加えるためハッキングがほぼほぼ不可能になっています。そのため公にデータを公開する場面などで役に立ち、どのデータをシェアするか、だれが編集できるかすべてコントロールできるため安全性が桁違いになります。
そしてブロックチェーンの代名詞であるDecentralization(サーバーの分散化)によりすべての情報の透明性が増すのでビジネス、ユーザー双方にとって安全になります。
これは例えばFacebookのメインサーバーがダウン、ハッキングされればすべての情報は止まり盗まれてしまうわけですが、Decentralizationのおかげで複製されたデータが様々なサーバ上に存在するため、何かあっても対応できるのです。
同じくブロックチェーン上での支払い、仮想通貨を使って支払いをすることも安全性が高く、素早いため仮想通貨での支払いに注目が集まっています。
こちらの記事で仮想通貨での支払い方について紹介しています。
5. キャピタルレイズ (資本調達)
ブロックチェーンの特徴の一つでトークンというものがあるのですが、トークンとは仮想世界に存在する独自のデジタル資産のことでトークンはビットコインなどの仮想通貨に変えたり、アメリカドルに変えたり、ブロックチェーン企業で使うことができたりします。
そのトークンなのですが、トークンを発行し投資家たちに買ってもらうことで資本金を集めるのをより簡単にすることができます。
トークンの価値はトークンの人気度と会社の成功具合で価値が変わるいわゆる株式のように使えるのですが、トークンは企業によっては様々な効果を持つ場合があります。
例えばトークンを保有しているだけで不不労所得が発生したり(Staking)、商品に使うことができたりと株式以上のメリットがあります。
ちなみにブロックチェーン上で増えたトークンを仮想通貨に変え、現金化しない場合は税金を払わなくても良いため、国に管理されない資産を築くこともできるのです。
6. コスト削減
そしてブロックチェーンは仲介業を通さずにマネージメントができるので、無駄な出費を単に減らすことができます。
現在は料金等の受け取り支払いをする際に銀行を通さずにはいられませんでしたがDeFiという分散型金融の出現によっていつでもどこでも素早く安全に、仲介業者を通さず支払いできるようになります。
仮想通貨での支払いはその代表例で素早く金銭のやり取りをできることに加え、仲介費を一切払わずGas Feeと呼ばれるエネルギー代を払うだけでよいため巨額の買い物をする時などに非常に便利です。
例えばVisaでの支払いは大体3~5%くらい店側が払わなければいけないのですが、仮想通貨での支払いを許可することによって1%未満のGas Feeだけを支払うだけでよいのでビジネスにとってかなりお金をセーブすることができます。
7. スマートコントラクト
スマートコントラクトとはその名の通り、賢い契約書のことで基本的に全自動でお客さんや他ビジネスと契約を結ぶことができます。
簡単に説明をするとスマートコントラクトとはブロックチェーン上に存在するコードで作られた契約書のことで1度その契約が結ばれると、変更が不可でデータはブロックチェーンデータベースに残り続けます。
つまり紙媒体で書くより早くそして安全で透明性が高いので詐欺が発生しづらくなるのです。
そしてこのスマートコントラクトを結ぶ際に代理人や弁護士などを通さずにできるのでお金をセーブできるほか時間短縮にもつながります。
例えばAさんがBさんにEthereum(最も大きなブロックチェーンエコシステムの1つ)のエコシステム上で100万円で車を売るというスマートコントラクトへ双方が同意した場合、Aさんは金額を変えることもできない上にブロックチェーン上に公開されているので透明で正確な契約書を作ることができます。
完全に仲介者を省くことはできませんが他者の介入を最小に抑えることができ、効率も良いので注目されています。
まとめ
ブロックチェーンはデータの透明性、プライバシーの面において力を最大限に発揮し、様々なプロジェクトやビジネスではもちろん、ヘルスケアや不動産などでも使うことができ、アメリカやヨーロッパの国々ではそのシステムの活用がところどころ見られます。
ブロックチェーンは様々な強みを持っているためビジネスの形態によって使い方が変わってきます。大きなビジネスではもちろん、小さなビジネスでもその力を発揮することで自動化やユーザーエンゲージメントを高めることに効果が見られるため、多くの企業は徐々にブロックチェーンを取り入れ始めています。
今までは大きな管理体にコントロールされていた個人情報やデータ、それらをまた自分の手に戻しより正確なリサーチに貢献する一方、分散型金融によって世界中どこからでも素早く安全に送金、受け取りができるようになるブロックチェーンはこれからの主流になることは間違いないでしょう。
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